感性を磨くために「教育」が果たす役割はあるでしょうか。
■松田氏:
自分で体験するしかない。考えてまずそれを感じないといけない。
ブルースリーの言葉に「Don’t think, feel」というのがある。
考える前に感じろと。四の五の言わずにまずやってみろと。
やって分かることがあるし、触ってみて分かることがある。その考えが好き。
私も気になったらすぐやってみるし、気になった人がいたら会いに行く。
いまの若い人たちと言ってはいけないが、まず考えてしまう傾向が強い。
考えるのは大事だが、まず感じようぜと伝えたい。
萩原先生の目から見て、現代に名前をつけるとすると何時代と言えるでしょうか。
■萩原氏:
絶滅しないために自分の種を残そうと努力するのが自然界の植物であり動物だ。
ところが人間はバカだから、絶滅すると思う。努力していない。
今の時代はもし100万年後の人間が見たら、石器時代よりもっと古い時代のことを言っているのではないかと言うに違いない。
我々は今が最先端と思っているけどとんでもない。まだまだ原始時代だ。
土の中から掘った燃料を使ったり、原爆で戦争をしたりする人間はバカだ。
動物は人間と違って公平。人間は威張っているが、最も絶滅する危険があるのではないか。
■松田氏:
私も今の時代はまだ石器時代だと捉えていて、萩原先生の考えに共感する。
人間の大きなミステイクは科学が進歩すれば、自分たちが自然をコントロールできると思ってしまったところにある。
西洋で産業革命が起き、近代科学が生まれてモノと心を別物にしてしまい、大量生産、大量消費の流れができた。
モノの本当のありがたみ、本質を全く見ずに消費することが人の幸せにつながると勘違いするようになった。
これからを担う若い世代がこのことに気づき、21世紀にどのように自然とかかわっていくかを考えていくことが重要だ。
人間を中心に考えないことが人間の進化につながると考えている。
若い世代へ伝えたいメッセージはありますか。
■萩原氏:
人生は1回しかないから、1つの道を歩むしかないということだ。私は母から一度だけ注意を受けた経験がある。
就職して初任給を母の前に持っていった時に「但し、人生は2回ないよ。ひとつの道を極めないとダメだよ。
途中で商売を変えるでないよ」と言われた。若いうちは自分の才能の見極めがつかないから迷うこともあるが、自分の道を歩んだらその道を一生貫くことが大志を抱くということ。
今になって母の言葉がようやく身にしみて分かるようになった。
最後に1つだけ若い人たちに言いたいのは、愛国心という言葉。国を愛すること。
ものすごく大事なことだけど、若い人たちは全く分かっていない。
戦前、戦中、戦後をずっと生きていると日本の国がどういう形でできてどうなっているのかをよく知っている。
だから日本の将来を一番心配している。私は自分の特許を国に返して、次の世代の人に日本の技術を世界へ広げていってほしいと思っている。
お金や名誉はいらない。世界の中で輝き続ける日本であってほしいと思っている。